2010/3/1

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏民間企業融資、5カ月連続縮小

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)が2月25日発表した通貨供給量統計で、ユーロ圏の1月の民間企業に対する貸し出しの伸びは前年同月比でマイナスとなり、5カ月連続で縮小したことが明らかになった。景況感も悪化に転じており、依然として景気回 […]

欧州中央銀行(ECB)が2月25日発表した通貨供給量統計で、ユーロ圏の1月の民間企業に対する貸し出しの伸びは前年同月比でマイナスとなり、5カ月連続で縮小したことが明らかになった。景況感も悪化に転じており、依然として景気回復が停滞していることが裏付けられた。

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民間部門への融資伸び率は1年前に比べて0.6%のマイナスで、前月のマイナス0.1%から落ち込みが加速した。金融企業以外の企業に対する融資額の伸びはマイナス2.7%で、前月のマイナス2.2%から一段と低下している。ただし一般世帯への貸し出しの伸びは1.6%で前月の1.3%から加速し、9カ月連続で拡大。これは住宅ローンの貸し出しが徐々に持ち直しているため。

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これまで企業への融資縮小は資金需要の減退のためと説明されてきたが、エコノミストからは銀行の貸し渋りによるものとの見方も出ている。

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なお通貨供給量(M3)伸び率は年0.1%で前月のマイナス0.3%からプラスに転じた。ただ2009年11月~2010年1月の3カ月間では、0.1%のマイナスとなっている。ECBは中期的なインフレ動向を占う指標としてM3の動向を重視しており、ECBが政策金利を当面は現行の年1.0%に据え置くのは確実だ。

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