2010/3/8

産業・貿易

欧州委がギリシャ絡みのCDS取引を問題視、規制視野に調査開始

この記事の要約

欧州委員会は3日、ギリシャの財政危機に絡んだ投機的な金融取引が同国の信用不安を拡大し、金融市場の混乱を深めている恐れがあるとして、調査に乗り出すことを明らかにした。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引を対象とし […]

欧州委員会は3日、ギリシャの財政危機に絡んだ投機的な金融取引が同国の信用不安を拡大し、金融市場の混乱を深めている恐れがあるとして、調査に乗り出すことを明らかにした。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引を対象としたもので、規制に乗り出す可能性が出てきた。

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CDSは債務不履行(デフォルト)のリスクを対象とする金融派生商品。ギリシャの財政危機が表面化してから、国債が焦げ付いた場合に備えた保険として取引が急増しているが、その“保証料”が急上昇し、ギリシャ国債が売り込まれる一因となっている。

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欧州での報道によると、欧州委は同取引について、本来はギリシャ国債を保有する投資家を損失のリスクから守るためのCDSを、国債を持たないヘッジファンドが投機目的で利用し、短期的に売買していることが市場の混乱を加速させているとして問題視しているもよう。5日には調査の第一弾として市場関係者や当局者を集めた会合を開き、意見を聴取した。担当委員であるバルニエ委員(域内市場・サービス担当)の報道官によると、同会合はCDS取引への理解を深めるための予備調査で、現段階で規制は検討していない。しかし、すでに欧州委は金融危機再発防止策の一環として、CDSを含むデリバティブ(金融派生商品)取引の規制強化案を年内にまとめる方針を打ち出しており、その一部として扱われ見込みだ。

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