2010/5/17

産業・貿易

フランスなど10カ国が反対表明、メルコスルとのFTA交渉再開で

この記事の要約

欧州委員会がブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4カ国で構成する南米南部共同市場(メルコスル)と自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉再開を決めたことに対して、フランスなど10カ国は11日に反対を表明し、1 […]

欧州委員会がブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4カ国で構成する南米南部共同市場(メルコスル)と自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉再開を決めたことに対して、フランスなど10カ国は11日に反対を表明し、17日にも共同声明を農業相理事会に提示する。17日にはマドリッドでEUとメルコスルの交渉が正式に開始されることになっている。

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共同声明はフランスのほかオーストリア、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、ルクセンブルク、ポーランドの8カ国によるもので、ルーマニアとキプロスも支持しているという。声明では欧州委員会に交渉再開を決める権限があることを認めながらも、事前協議やEU経済に与える影響についての議論もなく決めたことに遺憾の意を表明し、厳しい状況にある欧州の農業分野に対して「マイナスの信号を送るもの」と批判している。

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これに対してEU議長国スペインのデ・ライグレシア南米担当外交長官は13日、メルコスルとの交渉ではEU加盟各国の利益は守られることを強調。一部の加盟国は困難に直面する部分があるものの、「メルコスルのような重要な相手とはあらゆる分野で関係を強化するため、この機会を利用すべきだと考えている加盟国もある」と説明している。EUとメルコスルの交渉は1995年に始まったが、農業分野などで対立し2004年に中断されたままとなっていた。

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