2010/8/23

競争法

蘭エイゴンへの公的支援を正式承認、再建計画で合意

この記事の要約

欧州委員会は17日、オランダ保険大手エイゴンとの間で公的資金の返済条件などを盛り込んだ再建計画の内容で合意に達し、同国政府による30億ユーロの公的支援策を正式に承認したと発表した。同社から7月に提出された再建計画の最終案 […]

欧州委員会は17日、オランダ保険大手エイゴンとの間で公的資金の返済条件などを盛り込んだ再建計画の内容で合意に達し、同国政府による30億ユーロの公的支援策を正式に承認したと発表した。同社から7月に提出された再建計画の最終案を審査した結果、一連の事業再編を通じて長期的な存続が可能になり、金融市場の安定につながると判断。オランダ政府による同社への公的支援はEUが定める国家補助規定の条件を満たしていると認定した。

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エイゴンは生命保険、年金、資産運用を中核とし、20カ国以上で約4,000万人の顧客にサービスを提供している。同社は金融危機の影響で業績が悪化し、2008年11月にオランダ政府から資本注入を受けた。議決権のない新株を発行して政府がこれを買い取る形がとられ、◇1年以内に投入額の3分の1を返済する◇発行価格に5割上乗せした金額で自社株を買い戻すことができる◇3年後に普通株式への転換が可能――などの条件が盛り込まれていた。

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エイゴンは公的資金の返済を優先させるため、中核事業および成長市場に経営を集中する再建策を打ち出し、昨年8月に増資を実施。調達資金を利用してこれまでに10億ユーロを返済している。同社は当初、政府との間で元本に5割のプレミアムを上乗せすることで合意していたが、最終的にプレミアムは4割まで引き下げられた。再建計画によると、エイゴンは20億ユーロの返済残額のうち5億ユーロを今月中に支払い、11年6月末までに残り15億ユーロを返済する。

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再建計画にはこのほか◇傘下の米再保険大手トランスアメリカ・リインシュアランスを売却し、米事業を大幅に縮小する◇公的資金の完済まで新たな事業買収を凍結すると共に、住宅ローンやインターネット銀行など国内市場の特定分野でプライスリーダーシップ(業界全体の価格決定に影響を与えること)を放棄する――などが盛り込まれている。

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