2010/9/6

環境・通信・その他

ギリシャで全面禁煙を実施、公共の場での喫煙には罰金も

この記事の要約

ギリシャで1日、屋内の公共の場における喫煙を全面的に禁止する法令が施行された。併せて屋外でのタバコ広告掲示も禁止された。しかしギリシャはEU内で喫煙者の割合が最も多く、レストランやカフェの抵抗も根強いため実効性には依然と […]

ギリシャで1日、屋内の公共の場における喫煙を全面的に禁止する法令が施行された。併せて屋外でのタバコ広告掲示も禁止された。しかしギリシャはEU内で喫煙者の割合が最も多く、レストランやカフェの抵抗も根強いため実効性には依然として懸念が残されている。

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同国では8年前に部分禁煙を導入したが効果はなく、昨年7月には一部の公共の場で禁煙に踏み切ったものの、完全に実施されないまま断念した経緯がある。今回は、違反者に対して50~500ユーロの罰金を科すうえ、カフェやレストランなどに対する罰金は500ユーロから最大で1万ユーロとして、度重なる違反には営業権のはく奪の可能性も盛り込んだ。順守を徹底させるため、特別調査官や地方警察が規制の執行に目を光らせることになる。

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ギリシャでは喫煙に起因する疾病で毎年2万人程度が死亡しており、保健相は今回の規制でこうした死亡者が減り中央政府にとっては年に21億4,000万ユーロの節減になると指摘。ただし罰金については、施行から1カ月間に限っては免除する方針を明らかにしている。

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しかしレストランやカフェは、経済低迷で厳しいうえに顧客離れを招くと反発しており、規制を無視する懸念が出ている。また、従来の禁煙規制に効果がなかった一因として地方自治体のスタッフや警察官にもヘビースモーカーが多いことが挙げられており、今回も実効性を疑問視する見方がある。

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ギリシャの喫煙者の割合は15歳以上の人口の約42%を占めEU平均の29%を大きく上回るが、最近の調査ではギリシャ人の10人に7人が全面禁煙を支持している。なおEU内では英国やアイルランド、フランス、ドイツなどですでに禁煙を実施しており、こうした国々では喫煙者の数も減ってきている。

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