2010/9/13

産業・貿易

アイルランド政府がAIB銀を分割、欧州委の公的支援承認に向け

この記事の要約

アイルランド政府は8日、昨年1月に国有化したアングロ・アイリッシュ銀行(AIB)について、預金などを受け付ける「グッド・バンク」と不良債権などを抱える資産回収銀行の「バッド・バンク」に分割する方針を明らかにした。これはレ […]

アイルランド政府は8日、昨年1月に国有化したアングロ・アイリッシュ銀行(AIB)について、預金などを受け付ける「グッド・バンク」と不良債権などを抱える資産回収銀行の「バッド・バンク」に分割する方針を明らかにした。これはレニハン財務相が先ごろ欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)などと協議した内容にもとづき、公的支援に対する欧州委の承認を得るための対応策を閣議で承認したもの。

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AIBは金融危機後に不動産向け融資で巨額の損失を出して経営不安が広がり、完全国有化された。政府が注入した250億ユーロについて欧州委は緊急措置として認めているが、その後も政府は230億ユーロを注ぎ込んで経営を支えてきた。

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政府の計画では、グッド・バンクは預金のほか一部の優良な融資資産を取り扱う銀行となり、バッド・バンクは不良債権を処理する銀行となる。不良債権のうち80%以上は建設・不動産業者向けで、これを償却するか政府が設立した不良資産の一括管理の受け皿機関「国家資産管理庁(NAMA)」に移管したのち、バッド・バンクを清算する。アイルランド中銀は10月中にこの計画に要する費用を明示することになる。

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アルムニア委員は分割案を支持しながらも、「欧州委が最終的に承認する前に明確にする必要のある重要点がいくつもある」と指摘している。またレニハン財務相によれば、同委員はアイルランドの銀行預金に対する政府保証を短期の法人預金や銀行間預金についても今年末まで延長することで合意したという。

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