2010/9/20

産業・貿易

パキスタン製品に関税優遇措置適用へ、加盟国が洪水復興支援の拡大で合意

この記事の要約

EU加盟国は16日開いた首脳会議で、大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンへの支援策について協議し、同国からの輸入品に関税優遇措置を適用する方針で一致した。減免措置の対象品目や適用期間などの詳細は欧州委員会が10月までに […]

EU加盟国は16日開いた首脳会議で、大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンへの支援策について協議し、同国からの輸入品に関税優遇措置を適用する方針で一致した。減免措置の対象品目や適用期間などの詳細は欧州委員会が10月までにまとめる。

\

パキスタンの洪水被害に関連して、EUは人道支援の見地からすでに多額の緊急援助を表明しているが、これと並行して繊維業など主要産業の輸出を伸ばし、復興を支援するのが関税優遇措置の狙い。EUは議長総括で「危機の深刻さに鑑みて、即時かつ相当な援助が求められている」と強調。さらに今回の災害ではイスラム原理主義組織などがいち早く被災者の支援に乗り出しており、欧米を中心にテロ組織が混乱に乗じて勢力を拡大することへの懸念が広がっている点を踏まえ、「パキスタンの安定と繁栄がテロとの戦いや麻薬撲滅など、国際社会が直面する問題を克服するためのカギを握る」と指摘した。

\

外交筋によると、関税優遇措置を通じてパキスタンは対EU貿易で年間2億3,000万-3億ユーロの恩恵を受けるとみられている。欧州委は今月に入り、パキスタンから輸入される繊維製品13品目の関税を一定期間、撤廃する方向で検討していることを示唆していた。

\