2010/10/11

産業・貿易

パキスタン一部製品の関税を3年間停止、欧州委が洪水復興支援で提案

この記事の要約

欧州委員会は7日、大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンの復興や政治の安定を支援するため、同国からの輸入製品の一部に対する関税を3年間停止する提案を明らかにした。加盟各国と欧州議会の承認を経て、世界貿易機関(WTO)から […]

欧州委員会は7日、大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンの復興や政治の安定を支援するため、同国からの輸入製品の一部に対する関税を3年間停止する提案を明らかにした。加盟各国と欧州議会の承認を経て、世界貿易機関(WTO)から関税停止の認可を受けた上で、来年1月から適用する方針だ。

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対象となるのは繊維製品のほかエタノールなど75品目で、EUのパキスタンからの輸入額33億ユーロのうち約27%の9億ユーロ分に当たる。関税停止により1億ユーロの輸入拡大が見込めるという。ただ、対象品目からはEUの産業界から反対の強いベッドリネンなどの一部製品が外され、エタノールについては年間10万トン分の輸入を上限と決めた。また関税を回避するために第三国からパキスタン経由でEUに輸出しようとする動きを阻止するための監視も強める。

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今回の措置については欧州の繊維業界から反発も出ており、業界団体のユーラテックスは「一般のパキスタン人の支援にはならない。すでに2億ユーロ以上の売上高を持つパキスタンの一握りの繊維企業が恩恵を受けるだけ」と批判している。

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