2010/11/22

総合 –EUウオッチャー

ギリシャの09年赤字は15.4%に拡大、政府は財政再建強化へ

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットは15日、ギリシャの2009年の財政赤字を上方修正したと発表した。当初の赤字は国内総生産(GDP)比13.6%と報告されていたが、15.4%に引き上げられた。これはアイルランドの14.4%を上回り […]

EU統計局ユーロスタットは15日、ギリシャの2009年の財政赤字を上方修正したと発表した。当初の赤字は国内総生産(GDP)比13.6%と報告されていたが、15.4%に引き上げられた。これはアイルランドの14.4%を上回り、ユーロ圏最悪の水準となった。ギリシャは財政危機でEU、IMFから総額1,100億ユーロの協調融資を取り付けた際に約束した赤字削減計画が狂い、一層の財政引き締めを求められることになった。

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ギリシャは財政赤字を2014年までにEUの財政規律で上限となっているGDP比3%以下に抑える必要がある。当初は2010年の財政赤字をGDP比8.1%まで削減する計画だった。しかし、前年の赤字が膨らんだことで、同年の赤字は9.4%となる見通し。

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ギリシャはIMF、EUによる支援の条件として、財政再建の進捗状況のチェックを定期的に受け、これに“合格”しないと数段階にわたって提供される協調融資の追加実施が見送られる恐れがある。政府は今回の事態を受けて財政改善努力を強めざるを得ない。18日に議会に提出した2011年予算案では、歳出削減を当初の計画より50億ユーロ上乗せし、財政赤字をEUなどに約束したGDP比7.6%を下回る7.4%まで減らす方針を表明。その実現に向けて、付加価値税(VAT)の追加増税、医療費や軍事費の追加削減、国営企業の株式売却などを進める。

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