2010/12/20

産業・貿易

EUが北大西洋の漁獲規制で合意、タラは原案より削減幅縮小

この記事の要約

EU加盟国は15日にブリュッセルで開いた漁業相理事会で、北海を含む北大西洋の来年の漁獲規制で合意した。注目されていたタラの漁獲割当量は全体で18%の削減となり、欧州委員会が提案していた50%減から大きく後退した。\ 欧州 […]

EU加盟国は15日にブリュッセルで開いた漁業相理事会で、北海を含む北大西洋の来年の漁獲規制で合意した。注目されていたタラの漁獲割当量は全体で18%の削減となり、欧州委員会が提案していた50%減から大きく後退した。

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欧州委員会は、欧州の漁業資源の72%は持続できない水準にあり、特に北海のタラの93%は繁殖可能となる前に捕獲されているとして、アイリッシュ海やスコットランド西部沖などに50%の削減を提案していた。国際海洋探査委員会(ICES)は、特にスコットランド沖の資源量は危機的状況にあり漁獲禁止を提言している。

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しかし漁業相理事会の交渉では、英国やアイルランドなどが自国の漁業関係者への打撃を懸念して削減幅の縮小を強硬に主張。漁獲割当を守るためエビのトロール漁で捕獲されたタラは海中に廃棄されることも多く、割当量が必ずしも資源保護にはつながらないとの議論を展開した。

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最終的にスコットランド西部沖とアイリッシュ海のタラは25%の引き下げにとどまり、スカゲラック海峡や北海のスコットランド沖はそれぞれ20%の削減となった。最大の削減幅となったのはカテガット海峡の50%で、ポルトガル沖やビスケー湾はゼロ削減に決まった。

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