2011/2/21

欧州ビジネスウオッチ

化学大手クラリアント、独ズードケミーを買収

この記事の要約

スイスの化学大手クラリアントは16日、独同業ズードケミーを買収すると発表した。投資会社ワン・エクイティー・パートナーズ(OEP)と創業者一族から株式95%強を総額25億スイスフラン(約20億ユーロ)で取得。残りについても […]

スイスの化学大手クラリアントは16日、独同業ズードケミーを買収すると発表した。投資会社ワン・エクイティー・パートナーズ(OEP)と創業者一族から株式95%強を総額25億スイスフラン(約20億ユーロ)で取得。残りについても株式公開買い付け(TOB)で確保し、ズードケミーの上場を廃止する。同社は長年にわたる事業再編を昨年終了しており、今後は経営拡大に転じる意向だ。

\

買収は現金と株式交換を通して実施。ズードケミー株50.41%を保有するOEPからは1株当たり121ユーロで譲り受ける。創業者一族が持つ約46%についてはクラリアント株と交換する。交換比率はズードケミー株1株につきクラリアント株8.84株。

\

買収金額25億フランのうち、株式交換は7億フランを占める。クラリアントは残り18億フランについて、5億フランを手持ちの現金、4億ユーロを増資、9億ユーロを借入で捻出する。買収手続きは上半期中に終了する見通しという。

\

ズードケミーは触媒やリン酸鉄リチウム(リチウムイオン電池の正極材)、特殊樹脂を生産している。クラリアントは同社を買収することで、事業の幅を広げるとともに、景気変動に強い経営体制を整える意向だ。

\