2011/3/14

総合 –EUウオッチャー

欧州議会がトルコ批判の決議採択、EU加盟に向けた改革「停滞」

この記事の要約

欧州会は9日の本会議で、トルコのEU加盟に向けた改革が「停滞している」として、人権保護などの分野での改革促進を求める決議を賛成多数で採択した。これに対してトルコ政府は改革の進展を主張し、猛反発している。\ トルコはイスラ […]

欧州会は9日の本会議で、トルコのEU加盟に向けた改革が「停滞している」として、人権保護などの分野での改革促進を求める決議を賛成多数で採択した。これに対してトルコ政府は改革の進展を主張し、猛反発している。

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トルコはイスラム教国で唯一のEU加盟候補国。2005年から加盟交渉を行っているが、交渉のペースは南北キプロス分断問題や、トルコ加盟に対する独仏などの反発で鈍く、35に上る交渉国のうち着手したのは13項目にとどまっている。

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欧州議会の決議は、トルコが抱える問題点としてキプロス問題を挙げたほか、女性や宗教的少数派の権利保護、報道の自由などの分野で改革が遅れ、トルコが「本物の民主主義」に移行していないと指摘。一層の改革強化を促している。

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これに関してトルコ外務省は同日、「我が国の改革に向けた着実な歩みを無視し、現実を反映していないもので、受け入れることはできない」とする声明を発表した。

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決議文採択をめぐっては、トルコの加盟に批判的な中道右派の欧州人民党(EPP)が、正式な加盟ではなく「特権的なパートナーシップ」をEUと結ぶ可能性について探るべきとする文言を盛り込むよう求めたが、中道左派の欧州社会党の反発で断念。見返りとして欧州社会党は、トルコとEUの加盟交渉について「正式なEU加盟が共通のゴール」とする文言の要求を取り下げ、妥協案として「長く続く結末が約束されていない手続きの始まり」という表現が盛り込まれた。

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