2011/7/11

総合 –EUウオッチャー

ECBが追加利上げ、政策金利1.5%に

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は7日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を0.25ポイント引き上げ、年1.5%とすることを決めた。利上げは4月以来、3カ月ぶり。\ ECBはユーロ圏の消費者物価が急上昇し […]

欧州中央銀行(ECB)は7日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を0.25ポイント引き上げ、年1.5%とすることを決めた。利上げは4月以来、3カ月ぶり。

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ECBはユーロ圏の消費者物価が急上昇していることを受け、4月に約3年ぶりとなる利上げを実施。政策金利を0.25%引き上げ、年1.25%とした。しかし、なお物価上昇圧力が弱まらず、インフレ率がECBの上限目標値である2%を大幅に上回る状態が続いることから、トリシェ総裁は先月の理事会後、7月の追加利上げを予告していた。

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ユーロ圏では最大の経済国であるドイツの景気が好調な一方、ギリシャ、ポルトガルなど南欧諸国の財政危機が深刻化し、景気の先行きは不透明な状況にある。それでもECBは物価安定を優先し、追加利上げを決めた。

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トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、今後の物価動向を「非常に注意深く見守っていく」と述べ、必要に応じて再利上げに踏み切る用意があることを示唆した。市場では早ければ10月にも追加利上げがあるとの観測が浮上している。

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一方、ECBは同日、財政危機により長期国債を大幅に格下げされたポルトガルへの支援策として、同国の銀行に公開市場操作で資金を供給する際の担保の信用基準適用を一時凍結すると発表した。これにより同国の銀行は、保有する国債の格付けに関係なく担保としてECBから資金を調達できるようになる。ECBは同様の措置をギリシャ、アイルランドに実施済みだ。

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