2011/8/1

総合 –EUウオッチャー

S&Pとムーディーズ、ギリシャのデフォルトを予告

この記事の要約

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスはこのほど、ギリシャ国債を格下げすると同時に、EUが先ごろ合意したギリシャに対する第2次支援を実施した場合は、ギリシャ […]

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスはこのほど、ギリシャ国債を格下げすると同時に、EUが先ごろ合意したギリシャに対する第2次支援を実施した場合は、ギリシャを事実上のデフォルト(債務不履行)扱いにすると発表した。

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ムーディーズは7月25日、ギリシャ国債の長期信用格付けを「Caa1」から3段階引き下げ、下から2番目の「Ca」にすると発表。これに続いてS&Pも27日、同格付けを「トリプルC」から「ダブルC」に引き下げると発表し、そろってギリシャ国債をジャンク債扱いとした。

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今回の格下げは、ユーロ圏が21日の首脳会議で合意したギリシャに対する第2次支援で、ギリシャ国債を保有する民間の金融機関などに500億ユーロを負担させることを決めたため。ムーディーズは同支援を「ユーロ圏に(信用不安が)伝染するリスクを抑えた」として評価しながらも、ギリシャ国債そのものについては「民間債権者が相当の損失を被る」として、3段階引き下げに踏み切った。また、ギリシャがデフォルトに陥るのは「事実上、確定した」としている。

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格付け機関はギリシャ2次支援が決まる前から、民間投資家が負担を迫られる場合はギリシャ国債をデフォルト扱いにすると警告。フィッチ・レーティングスは22日、ギリシャを「制限的デフォルト」とみなすと発表していた。S&Pとムーディーズを合わせ、世界の3大格付け会社がそろってギリシャのデフォルトを予告したことになる。

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