2011/8/1

産業・貿易

EUの新車価格差が縮小、昨年は平均8.2%

この記事の要約

欧州委員会が7月26日発表した2010年の新車価格に関する調査報告書によると、EU加盟国間の新車の価格差は平均8.2%となり、前年から0.3ポイント縮小した。ユーロ圏の価格差は平均6.5%と、前年と変わらなかった。\ 調 […]

欧州委員会が7月26日発表した2010年の新車価格に関する調査報告書によると、EU加盟国間の新車の価格差は平均8.2%となり、前年から0.3ポイント縮小した。ユーロ圏の価格差は平均6.5%と、前年と変わらなかった。

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調査は、EU域内で販売されている自動車メーカー26社の計89車種を対象に、表示価格を国ごとに比較したもの。車種別に見ると、ユーロ圏で価格が最も高い国と安い国との差が一番大きいのは、伊フィアットの「プント」(44.3%)で、ルノー「クリオ」(39.5%)、プジョー「207」(36.9%)がこれに次いだ。逆に最も差が小さいのは独BMWの「320d」(8.7%)で、アウディ「A4」(14.0%)、メルセデス「C」(17.3%)が続いた。

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新車価格は1年前に比べEU全体で0.3%、ユーロ圏では0.8%上昇したが、いずれも物価上昇率の2.8%、2.3%を大幅に下回っており、実質的には値下がりしている。国別で値下がり率が最も大きかったのはスロバキアで17.4%低下。次いでブルガリアが13.5%、スロベニアが11.6%となっている。一方、値上がり率はポルトガルが2.6%で最大で、イタリアとマルタがそれぞれ0.2%で続いた。主要国では、英国が3.7%のマイナスだったほか、ドイツが1.9%、フランスが0.9%それぞれ値下がりした。

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欧州委によると、新車価格はここ10年間値下がり傾向が続いており、このことはEU市場で競争原理が働いていることを示している。欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は、「消費者が新車市場における競争の恩恵を受け、実質価格の下落が続いていることは好ましい傾向だ。加盟国間の価格差が縮小していることは、国境を越えた競争が進んでいることを示している」とコメントした。

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