2011/8/8

産業・貿易

EU・インドFTA交渉は「進行」、後発薬めぐる対立解消で早期妥結か

この記事の要約

EUとインドの自由貿易協定(FTA)締結交渉の進捗状況について、インドのシンディア商工担当閣外相は3日、議会への報告で交渉は「進行している」との認識を示した。双方は2007年にFTA交渉を開始し、年内の妥結を目指してこれ […]

EUとインドの自由貿易協定(FTA)締結交渉の進捗状況について、インドのシンディア商工担当閣外相は3日、議会への報告で交渉は「進行している」との認識を示した。双方は2007年にFTA交渉を開始し、年内の妥結を目指してこれまで13回にわたり協議を行っている。同閣外相は「交渉はかなり進んだデリケートな段階を迎えている。双方はバランスの取れた公正な協定を実現するため、共通の着地点を探っている」と述べた。

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FTAが実現するとEU・インド間の貿易額は現在の年間920億ドルから15年までに2,370億ドルに拡大すると予測されている。双方は当初、10年までの妥結を目指していたが、EUはインド政府に対し、法律、金融、小売りなどサービス分野におけるより一段の市場開放のほか、環境対策や児童労働などの問題に対する取り組みの強化を要求。一方、インド側は知的財産権保護の観点からジェネリック(後発)医薬品の供給制限条項を協定に盛り込もうとするEUの政策に強く反発し、交渉が難航していた。

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しかし、EUとインドは昨年12月の首脳会議で、11年の妥結を目指して交渉を加速させることで合意。その後の協議でEU側がジェネリック医薬品の供給制限条項を協定から除外することに同意するなど、いくつかの項目で進展がみられ、早期妥結の期待が高まっている。

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