2011/8/22

総合 –EUウオッチャー

EUとIMF、ポルトガルへの第2次融資を決定

この記事の要約

EUと国際通貨基金(IMF)は12日、ポルトガルに対する115億ユーロの融資実行を決定したと発表した。EUとIMFは今年5月、向こう3年間に総額780億ユーロの金融支援を行うことを決め、すでに198億ユーロの融資を実施し […]

EUと国際通貨基金(IMF)は12日、ポルトガルに対する115億ユーロの融資実行を決定したと発表した。EUとIMFは今年5月、向こう3年間に総額780億ユーロの金融支援を行うことを決め、すでに198億ユーロの融資を実施している。今回の融資は第2弾となるもので、両機関と欧州中央銀行(ECB)が今月1日から融資の条件となる財政再建策の進捗状況などを調査していた。ユーロ圏財務相会議とIMFの正式な承認を経て、9月にもポルトガルへの第2次融資が実施される見通しだ。

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ポルトガルはEUとIMFによる救済プログラムの下で、財政赤字を国内総生産(GDP)比で2010年の9.1%から11年は5.9%、12年には4.5%に引き下げ、13年までにEUの財政基準である3%以内を達成する必要がある。今年6月に発足した中道右派政権は一層の歳出削減に努める一方、所得税を一時的に引き上げて財政健全化を図る方針を打ち出しており、EU、ECB、IMFの3者は赤字削減の目標達成に向けた取り組みが概ね計画通りに進んでいると評価した。

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3者は声明で「財政再建計画は軌道に乗っており、第2次融資実行を認めるべきだと判断した」と表明。今回の調査を指揮したIMFのポール・トムセン氏は会見で「ポルトガルは今年の財政赤字削減目標を達成すると確信している。引き続き厳格な財政運営を実行して、救済プログラムが完了するまでに財政再建を実現できると信じている」と述べた。

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ポルトガルのガスパル財務相は決定を受け、「5月に承認された救済プログラムに基づく財政再建に向けた取り組みが高く評価されたことは喜ばしい」との声明を出した。

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