欧州中央銀行(ECB)は22日、前週(15~19日)のユーロ圏国債の買い取り額が総額143億ユーロに上ったことを明らかにした。前週の220億ユーロを下回ったものの、イタリア、スペインの国債を買い支えるため大規模な介入を続けている。
\ECBは今月に入り、ギリシャなどからユーロ圏の主要国であるイタリア、スペインに飛び火した信用不安が深刻化したことを受け、3月から停止していた財政悪化国の国債を流通市場で買い入れる措置を再開していた。一連の介入により6%を超えていた両国の国債利回りは5%台まで低下し、一定の効果をあげている。
\ユーロ圏17カ国は7月の緊急首脳会議で、信用不安の拡大を防ぐため、財政危機に直面するユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額4,400億ユーロの「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能を強化し、EFSFが危機に陥った国の国債を流通市場で買い取ることができるようにすることで合意済み。しかし、同措置には各国の議会による承認が必要で、実施は秋にずれ込む見込み。それまでECBが両国の国債を買い支えることになる。
\ただ、これまでにECBが流通市場で買い入れた国債は総額1,105億ユーロに達している。1日当たり36億ユーロを費やした計算だ。このペースが続くと年間買い入れ額は6,000億ユーロという巨額の規模に膨らむことから、いつまで介入を続けることができるか市場では懐疑的な見方が広がっている。
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