2011/9/26

総合 –EUウオッチャー

S&Pが伊を1段階格下げ、財政不安を懸念

この記事の要約

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、イタリアの長期信用格付けを「シングルAプラス」から1段階引き下げ、「シングルA」にしたと発表した。財政不安が深刻化する懸念が強まっていることや景気減 […]

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、イタリアの長期信用格付けを「シングルAプラス」から1段階引き下げ、「シングルA」にしたと発表した。財政不安が深刻化する懸念が強まっていることや景気減速を見越したもの。「シングルA」は上から6番目、下から5番目の格付けとなる。

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イタリアは国内総生産(GDP)比120%近い公的債務を抱え、財政不安が強まっている。ベルルスコーニ政権が打ち出した増税、年金制度改革を柱とする財政再建計画は14日に議会で承認されたが、政権が一枚岩ではなく、緊縮策への国民の反発も激化していることから、S&Pは財政再建が計画通り進むかどうか不透明として、格下げに踏み切った。格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆した。

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S&Pはイタリアの景気の悪化も格下げ材料とした。同社は2011~14年のGDP予想伸び率をこれまで年平均1.3%としていたが、0.7%に下方修正。これが税収減を招き、財政再建を難しくするとしている。

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