2011/11/14

環境・通信・その他

中国航空会社がEU提訴へ、航空CO2排出規制めぐり

この記事の要約

EUが航空部門を2012年1月から排出量取引制度(EU-ETS)に組み込む計画であることをめぐり、中国航空運輸協会は9日、中国国際航空など同国の航空大手3社が近く、EUを提訴する考えであることを明らかにした。\ 中国航空 […]

EUが航空部門を2012年1月から排出量取引制度(EU-ETS)に組み込む計画であることをめぐり、中国航空運輸協会は9日、中国国際航空など同国の航空大手3社が近く、EUを提訴する考えであることを明らかにした。

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中国航空運輸協会は、温室効果ガスの排出については航空機メーカーが責任を負うべきであり、「顧客」である航空会社に支払い義務を負わせるのは不当であるとの見解を表明。中国国際航空、中国南方国際航空、中国東方航空、海南航空が現在、集団訴訟を検討していると言明した。中国民用航空局は先月、「新規則はシカゴ条約など国際法に違反しており、主権侵害にもあたる」などとして、ロシアの航空当局と同計画に反対する共同声明を発表していた。

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この問題については米国がすでにロンドンの高等法院にEUを提訴しており、現在は欧州司法裁判所に審議が移されている。判決は来年初めになる見通しだが、欧州裁は今月初め、EU内に乗り入れる域外の航空会社に温室効果ガス排出規制を適用することは国際法に違反しないとの法務官見解を示した。

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EUの計画では、域内の空港を発着するほぼすべての航空会社が温室効果ガスの排出削減が義務づけられる。航空各社は過去の実績に基づいて割り当てられる排出枠のうち、取引市場で15%を購入することになり、実際の排出量が上限を超えた場合は、超過分の排出権を購入するか、制裁金を支払わなければならなくなる。このため、負担分を航空券料金に上乗せする航空会社が増えるとみられているが、EUのヘデゴー委員(気候変動担当)が航空券1枚あたりの値上げ幅を約8.15~16.3ドルと予想しているのに対し、中国の航空各社は47.5ドル程度の上昇になると主張している。

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