2011/12/19

競争法

トムソン・ロイターが改善策提示、競争法違反問題で

この記事の要約

ニュース・金融情報配信大手のトムソン・ロイターがリアルタイムな市場データの配信サービスで独占的な地位を悪用している疑いがあるとしてEUが調査に乗り出している問題で、欧州委員会は14日、トムソン・ロイターが提案している改善 […]

ニュース・金融情報配信大手のトムソン・ロイターがリアルタイムな市場データの配信サービスで独占的な地位を悪用している疑いがあるとしてEUが調査に乗り出している問題で、欧州委員会は14日、トムソン・ロイターが提案している改善策について、利害関係者からの意見を求める「市場テスト」を実施すると発表した。

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焦点となっているのは、顧客が株価などの情報を検索するときに使う「RIC」と呼ばれるトムソン・ロイター固有の銘柄識別コード。欧州委によると、同社は顧客がRICを他の情報配信会社のコードに置き換える(マッピング)ことを不当に妨げ、RICの二次利用を制限することで、顧客が他社のサービスを利用しづらい状況を生み出している疑いがある。最終的に競争法違反と認定されれば、対象企業は全世界の売上高の最大10%に相当する制裁金の支払いを命じられる可能性がある。

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トムソン・ロイターが提案した改善策は、ライセンス料を支払った顧客にRICの二次利用を認めるというもの。アルムニア委員はこの提案について「金融機関が情報配信会社を乗り換えることが容易になり、データサービス企業間の競争が促進される」と評価するコメントを発表した。市場テストの意見募集期間は1月25日まで。テストの結果問題がないと判断されれば、欧州委のトムソン・ロイターに対する調査は終了する。

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