2012/1/16

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、総裁「金融市場に安定の兆し」

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は12日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。ECBは信用不安などによる景気後退懸念を受けて、2カ月連続で利下げを実施し、量的緩和も拡大 […]

欧州中央銀行(ECB)は12日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。ECBは信用不安などによる景気後退懸念を受けて、2カ月連続で利下げを実施し、量的緩和も拡大したことから、これらの効果を見極める必要があると判断した。

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ECBは11、12月に各0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利を過去最低水準に並ぶ1%まで引き下げた。さらに、12月下旬の供給オペ(公開市場操作)で、初の3年物資金を無制限で供給。供給額は1回のオペで過去最高額となる4,892億ユーロに達した。このため、今回の金利据え置きは予想通り。今後の金融政策に関するドラギ総裁の発言に注目が集まっていた。

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ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏の景気動向について「見通しは極めて不透明で、大きな下振れリスクがある」とコメント。「金融政策は今後も緩和的になるだろう」と述べ、追加の金融緩和に含みを残した。

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ただ、市場への大量の資金供給に関して、「いくつか前向きの動きがみえる」と述べ、一定の効果があったとの認識を表明。イタリア、スペインが同日の国債入札を順調に消化したこととの関連性については不明としながらも、金融市場にわずかながら「安定の兆しが出ている」と述べた。

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