2012/5/28

総合 –EUウオッチャー

セルビア新大統領に右派ニコリッチ氏、EU加盟に悪影響も

この記事の要約

セルビアで20日実施された大統領選の決選投票で、右派のトミスラフ・ニコリッチ候補(60)が事前の予想をくつがえし、現職のボリス・タディッチ候補(54)を破って当選した。コソボ問題など政治的な立場が問われた以前の選挙と異な […]

セルビアで20日実施された大統領選の決選投票で、右派のトミスラフ・ニコリッチ候補(60)が事前の予想をくつがえし、現職のボリス・タディッチ候補(54)を破って当選した。コソボ問題など政治的な立場が問われた以前の選挙と異なり、失業率24%に象徴される経済の停滞が争点となったことや、タディッチ氏支持層で棄権が多くなったことがニコリッチ氏に有利に働いたようだ。

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セルビアは今年3月にEUから加盟候補国として正式に承認されたばかり。親欧米派でEU早期加盟を目指すタディッチ氏から、EU加盟の条件であるコソボ独立の承認を断固拒否する「大セルビア主義」を標榜するニコリッチ氏に交代することで、EU加盟が遅れる可能性が浮上している。

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両氏は2004年、08年にも決選投票で対決したが、いずれもタディッチ氏が当選した。ニコリッチ氏は今回、EU加盟拒否の姿勢を修正して選挙に挑んだが、「コソボ独立の承認が条件であればEUに加盟しない」と発言するなど、依然として加盟に慎重な立場だ。

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