2012/5/28

産業・貿易

金融取引税の早期導入、欧州議会が決議採択

この記事の要約

欧州議会は23日の本会議で、EU域内共通の金融取引税を導入する案の早期成立を促す決議案を賛成多数で採択した。\ 一般的に「トービン税」と呼ばれる金融取引税は、本来は投機的な取引の抑制が主眼だが、EUでは財政悪化に直面する […]

欧州議会は23日の本会議で、EU域内共通の金融取引税を導入する案の早期成立を促す決議案を賛成多数で採択した。

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一般的に「トービン税」と呼ばれる金融取引税は、本来は投機的な取引の抑制が主眼だが、EUでは財政悪化に直面する加盟国のEU予算への負担を減らし、EUの独自財源を強化することを目的としている。昨年8月に独自の金融取引税を導入するフランスが提唱。欧州委員会が昨年9月に正式提案していた。2014年1月から株式・債券取引に0.1%、デリバティブ(金融派生商品)取引に0.01%の率で課税するという内容だ。

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EUでは税制に関する政策決定は加盟27カ国の全会一致が必要。同案にはフランスのほかドイツ、イタリア、スペインなど9カ国が支持を表明しているが、欧州の金融センターである英国が強く反発しており、成立の目途は立ってない。

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欧州議会は決議で、2015年の金融取引税導入を提唱。加盟国間の調整がつかない場合は、加盟国のうち9カ国以上が法案などに賛同すれば、それらの国で先行して実施することを認めるEU基本条約の条項を活用し、一部の国だけでも導入するべきだとしている。

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