2012/6/4

総合 –EUウオッチャー

EU市民、欧州統合・ユーロへの疑念高まる=世論調査

この記事の要約

EU市民の間で欧州債務危機をきっかけに欧州統合の理念や単一通貨ユーロに対する疑念が強まっていることが、米国の独立系世論調査機関ピュー・リサーチセンターが5月29日発表した世論調査の結果から明らかになった。\ 調査は英国、 […]

EU市民の間で欧州債務危機をきっかけに欧州統合の理念や単一通貨ユーロに対する疑念が強まっていることが、米国の独立系世論調査機関ピュー・リサーチセンターが5月29日発表した世論調査の結果から明らかになった。

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調査は英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、チェコ、ポーランド、ギリシャのEU加盟8カ国で3月から4月にかけて8,000人を対象に行われた。これによると、EUによる統合が経済の強化につながったと回答した人は全体の34%にとどまり、ギリシャでは18%、イタリアは22%に過ぎなかった。一方、ドイツでは59%、スペインでは46%が統合は経済にプラスだったと答えた。また、ユーロ圏5カ国でユーロを導入したことは「良かった」と回答した人は37%。国別ではイタリアが30%と最低で、ユーロ圏からの離脱が取りざたされているギリシャが46%で最高という皮肉な結果となった。また、非ユーロ導入国のうちイギリスでは、自国通貨ポンドを維持したことは良かったと答えた人が73%に上り、ユーロへの根強い不信感を浮き彫りにした。一方、EUそのものを支持する声は全体の6割にのぼり、ポーランドで69%、ドイツでは68%に達した。

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ピュー・リサーチセンターは調査結果について、「1957年の小さな共同市場の創設にはじまり、92年のより大きな単一市場の形成、2002年の単一通貨の導入に至った欧州プロジェクトは、現在進行中の債務危機の主要な犠牲者だ」とコメントしている。

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