2012/7/9

総合 –EUウオッチャー

ギリシャの財政再建策見直し、赤字削減期限延長に絞って交渉へ

この記事の要約

ギリシャのサマラス首相は6日に議会で行った演説で、EUなどに金融支援の見返りとして約束した財政再建計画の見直しについて、財政赤字削減の期限の2年延長に絞って交渉を進める意向を表明した。\ ギリシャ政府はEUと国際通貨基金 […]

ギリシャのサマラス首相は6日に議会で行った演説で、EUなどに金融支援の見返りとして約束した財政再建計画の見直しについて、財政赤字削減の期限の2年延長に絞って交渉を進める意向を表明した。

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ギリシャ政府はEUと国際通貨基金(IMF)による金融支援の条件として、厳しい緊縮策を含む財政再建を約束している。しかし、5月に発足した新政権は総選挙の際、緊縮に対する国民の不満を和らげるため、EUとIMFに再建策の見直しを求めることを約束していた。

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政府は5日に開始されたEUとIMF、欧州中央銀行(ECB)の代表団との次回の融資実行に関する交渉で、再建策の見直しについて協議した。ギリシャの要求をめぐっては、ドイツなどが約束違反として厳しい姿勢を示しており、協議が長引くと8月に満期となる国債の償還に必要な資金を確保できず、デフォルト(債務不履行)に陥ることになる。サマラス首相は公務員15万人削減計画の撤回なども求める予定だったが、4年間の任期中に徐々に交渉するとしたうえで、財政赤字をEUの財政規律で上限となっているGDP比3%以下に抑える期限を2014年から16年に延長することに絞って、EU側の譲歩を引き出すことを決めた。

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