2012/7/23

環境・通信・その他

研究成果のオープンアクセス義務付けへ、公的助成の研究対象に

この記事の要約

欧州委員会は17日、EUの公的助成プログラムによる助成を受けた科学的研究成果について、原則的にオープンアクセスを義務付ける方針を発表した。\ 研究者が成果を発表する学術雑誌の価格は高騰している。この結果、予算が限られる大 […]

欧州委員会は17日、EUの公的助成プログラムによる助成を受けた科学的研究成果について、原則的にオープンアクセスを義務付ける方針を発表した。

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研究者が成果を発表する学術雑誌の価格は高騰している。この結果、予算が限られる大学図書館では購読できる学術雑誌が減り、最新の研究動向にアクセスすることが難しくなるという事態が生じている。こうした状況を改善するため、欧州委は次期研究資金助成プログラム「Horizon 2020」(2014~20年)から助成を受けた研究成果については、オープンアクセス誌への投稿または出版後6カ月以内(人文・社会科学分野は1年以内)のセルフアーカイブによって公開することを義務付けとしている。欧州委のクルース副委員長(デジタルアジェンダ担当)は、「私たちは科学論文とその根拠となるデータへのアクセスをオープンにする」と述べ、「将来的には自分が支払った税金から生み出された情報にアクセスするため、高額な購読料を払う必要はなくなる」と強調した。

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学術界からは欧州委の方針を歓迎する声があがっている。伊国家研究委員会のアンジェロ・ヴォルピ氏(ブラッセル・リエゾンユニット代表)は、オープンアクセスは革命的だと指摘。「オープンアクセスによって研究を一段と前進させることが可能になり、研究の重複を減少させることができる」「研究者は互いの研究をより良く利用できるようになる」とコメントした。

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