2012/7/30

産業・貿易

基準金利操作に刑事罰適用へ、欧州委が規制強化発表

この記事の要約

国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題を受け、欧州委員会は25日、LIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)などの指標の不正操作に刑事罰を科すことなどを柱とした規制強化案を発表した […]

国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題を受け、欧州委員会は25日、LIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)などの指標の不正操作に刑事罰を科すことなどを柱とした規制強化案を発表した。

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LIBORをめぐっては、英大手銀行バークレイズが不正操作を図ったとして4億5,300万米ドルの制裁金を科され、ダイアモンド最高経営責任者(CEO)ら複数の幹部が辞任に追い込まれたほか、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)を含む十数行の銀行についても欧米の当局が調査に乗り出すなど、国際的な不祥事に発展している。規制強化案では、インサイダー取引と市場操作に対する最低限の処罰を定めた法律に修正を加え、EU全域で金利操作を刑事罰の対象に含める。罰則については具体的に定めず、各加盟国の判断に委ねる。欧州委のレディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)は、「金利の不正操作をめぐるここ最近のスキャンダルで、銀行に対する市民の信頼は急低下した」と指摘。規制強化案を迅速に成立させることで、経済にとって欠かせない銀行セクターに対する市民と投資家の信頼を取り戻すことにつながると説明した。規制の導入には、欧州理事会と欧州議会の承認が必要。欧州委は年内に手続きを終えたい考えだ。

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