2012/9/17

環境・通信・その他

バイオ燃料導入目標を引き下げへ、20年までに輸送用燃料の5%に

この記事の要約

EUはバイオ燃料の導入目標を引き下げる方針だ。バイオ燃料はクリーンで安価な代替燃料として利用が奨励されてきたが、原料となる農産物の需要拡大が食品価格の高騰を招いているとの認識が広まっているため。11日付けのAFP通信が通 […]

EUはバイオ燃料の導入目標を引き下げる方針だ。バイオ燃料はクリーンで安価な代替燃料として利用が奨励されてきたが、原料となる農産物の需要拡大が食品価格の高騰を招いているとの認識が広まっているため。11日付けのAFP通信が通じた。

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EUは2009年、温暖化防止対策の一環として、20年までに輸送用燃料消費に占めるバイオ燃料の割合を10%以上とすることを加盟国に義務付けた。しかし、AFP通信が入手した欧州委員会の提案文書は、バイオ燃料用作物を栽培するための作付転換や新たな耕作地開発によって二酸化炭素(CO2)の排出が増加し、バイオ燃料の使用による排出削減効果を帳消しにする可能性があると指摘。20年までの輸送用燃料消費に占めるバイオ燃料の比率目標を5%に引き下げるとともに、原料作物の生産に伴う間接的土地利用変化(ILUC)が少ないバイオ燃料の普及を促進させる必要があると指摘している。EU関係筋によると、欧州委の提案は来月にも公表される見通しだ。

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バイオ燃料の導入目標が引き下げられる見通しとなったことに、業界関係者からは不満の声があがっている。EU最大のバイオディーゼルメーカーを傘下に持つ仏ソフィプロテオルのプイグ最高経営責任者(CEO)は、「EUは3年前、バイオ燃料を輸送部門における再生可能エネルギー利用促進の柱と位置づけた。欧州委の提案は、EUの政策に沿って成長し、5万人の雇用を支え、次世代のバイオ燃料技術を提供する産業を脅かすものだ」と懸念を表明した。

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