独鉄鋼大手のティッセンクルップは9月28日、自動車鋼板子会社テーラード・ブランクスを中国同業の武漢鉄鋼に売却することで合意したと発表した。売上規模で計100億ユーロの事業を分離する計画の一環で、今回の取引で目標額の95%を達成した。売却額は非公開。
\テーラード・ブランクスは厚さや材質の異なる複数の鋼板を溶接して1枚にまとめた薄板(テーラード・ブランク)の生産で世界最大手。市場シェアは約40%に上る。ドイツ、スウェーデン、イタリア、トルコ、米国、メキシコ、中国に計13工場を持ち、従業員数は950人、売上高は7億ユーロ。
\武漢鉄鋼は中国3位、世界5位の鉄鋼メーカーで、生産能力は約4,000万トン。昨年は3,400万トンを生産し、260億ユーロを売り上げた。欧州市場は戦略的に重要なため、テーラード・ブランクス買収によって欧州に生産拠点を確保し、本格的な市場開拓に乗り出す。
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