2012/11/12

環境・通信・その他

ハンガリーの司法官定年引き下げに違法判決=欧州裁

この記事の要約

ハンガリーが裁判官など司法官の定年退官年齢を強制的に引き下げたのは、年齢による差別を禁じたEU法に違反するとして、欧州委員会が欧州司法裁判所に訴えていた問題で、同裁判所は6日、欧州委の主張を認める判決を下した。\ ハンガ […]

ハンガリーが裁判官など司法官の定年退官年齢を強制的に引き下げたのは、年齢による差別を禁じたEU法に違反するとして、欧州委員会が欧州司法裁判所に訴えていた問題で、同裁判所は6日、欧州委の主張を認める判決を下した。

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ハンガリーでは今年1月に新たな基本法(憲法)が施行されたことに伴い裁判官、検察官及び公証人の定年が70歳から62歳へと大幅に引き下げられた。これにより、裁判官の10%に相当する231人が退官に追い込まれた。欧州委はこの問題について、年齢を理由とする差別を禁じたEUの平等待遇規則に反するばかりでなく、司法の独立を侵害するものだと指摘。EU法違反手続きを開始する決定を下すとともに、この事例をEU司法裁判所へ付託していた。なお、ハンガリー憲法裁判所は7月、定年引き下げは違憲であるとし、施行日に遡って無効とする判決を下している。

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ハンガリー政府は、司法官の退官年齢の引き下げは若い法曹にキャリアを積む機会を与え、公務員の定年を一律とするために実施したと主張したが、欧州司法裁は、「定年を8年も急激に引き下げることは、公務員の定年を一律化するという目的を達成するのに必要な手段とはいえず、年齢を理由とした不当な差別にあたる」と指摘し、ハンガリーの主張を退けた。

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欧州委のレディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)は欧州司法裁の判決を受け、「ハンガリーは判決に従うため必要なあらゆる措置をとる必要がある」とコメントを発表した。AFP通信がEU関係筋からの情報として伝えたところによると、欧州委は退官した判事の服飾または補償の支払いが認められるべきであるとの考えを示しているという。

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