2013/1/7

環境・通信・その他

再可エネ実証プロジェクトに12億ユーロ、23件の支援対象を選定

この記事の要約

欧州委員会はこのほど、再生可能エネルギー実証プロジェクトの支援プログラム「NER300」の対象となる23のプロジェクトに総額12億ユーロを投じると発表した。NER300はEUの気候変動・エネルギー政策パッケージの1つとし […]

欧州委員会はこのほど、再生可能エネルギー実証プロジェクトの支援プログラム「NER300」の対象となる23のプロジェクトに総額12億ユーロを投じると発表した。NER300はEUの気候変動・エネルギー政策パッケージの1つとして創設された、低炭素技術の開発促進を目的とする資金支援のメカニズム。欧州委は2010年11月に支援対象の募集を開始し、第1弾として16カ国から提出された再生可能エネルギー関連のプロジェクトを助成対象に選定した。

\

NER300の財源は欧州投資銀行(EIB)が2011年12月~12年10月に実施した、EU排出量取引制度(EU-ETS)における新規対象施設向け排出枠(NER)3億トン分の売却益が充てられ、EIBが調達資金の管理・運用を担当する。今回選定されたプロジェクトには、このうち3分の2にあたるNER2億トン分の売却益が投入される。NER300から各プロジェクトに配分される資金は総コストの最大50%で、残りは各国政府の補助金や民間投資で賄うことになる。

\

今回、NER300の対象に選定されたのは、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデン、ハンガリー、ポーランドなどで計画されている革新的技術を用いた再生可能エネルギー分野のプロジェクトで、バイオ燃料、太陽光発電、地熱発電、風力発電、海洋エネルギー、スマートグリッドなど多岐にわたる。支援対象に選ばれたプロジェクトは資金提供から4年以内に再生可能エネルギーの生産を開始することが求められ、遅くとも2016年までに稼働する必要がある。欧州委によると、約3分の2のプロジェクトは15年末までの運用開始が見込めるという。

\

一方、EUはNER300を通じ、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)技術に関連したプロジェクトに2億7,500万ユーロの資金支援を行うことを決めているが、今回の選定では対象から外された。欧州委はその理由について、各国政府や民間が負担する資金調達や事業計画の策定に遅れが目立ち、十分な情報を基に選考を行うことができなかったと説明している。欧州委は近く、残るNER1億トン分の売却益を投じる第2弾の支援対象を選定する方針で、この中にCCS関連のプロジェクトも含まれることになる。

\