2013/5/13

競争法

欧州委がモトローラに異議告知書、アップルとの特許侵害訴訟

この記事の要約

米携帯端末大手モトローラ・モビリティが、いわゆる標準必須特許の侵害を理由にドイツで米アップルの製品販売差し止めを求めている問題で欧州委員会は6日、モトローラにEU競争法違反の疑いがあるとして異議告知書を送付したことを明ら […]

米携帯端末大手モトローラ・モビリティが、いわゆる標準必須特許の侵害を理由にドイツで米アップルの製品販売差し止めを求めている問題で欧州委員会は6日、モトローラにEU競争法違反の疑いがあるとして異議告知書を送付したことを明らかにした。同社が市場における優位性を乱用し競争を妨害しているとの見解を示している。

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標準必須特許とは標準規格に準拠するために不可欠な特許で、特許の保有者は「公平、合理的、かつ非差別的(FRAND)」の原則に基づいて第三者に使用を許諾することが求められる。欧州委はこうした特許権への侵害を根拠とする販売差し止め請求は不当であるとするアップルの申し立てを受け、昨年4月にモトローラに対する調査を開始した。

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モトローラがアップルに侵害されたとしている欧州電気通信標準化機構(ETSI)のGPRS標準に関する標準必須特許。欧州委によると、モトローラは同標準が欧州で承認された際、FRAND原則に則ってライセンスを提供することを約束したが、ドイツでアップル製品の差し止めを裁判所に請求。アップル側がFRAND条件でのライセンス合意の意図を表明したにも関わらず差し止めの実施を求めた。同委は調査の結果、モトローラの行為は競争法に違反するとの初期判断を下すに至ったと説明している。欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は、「企業は知的財産権を濫用し競争を阻害するのではなく、革新を起こし、提供する商品のメリットを通じて競争することに時間を費やすべきだ」とのコメントを発表した。

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異議告知書を受け取った企業は2カ月以内に書面で事情説明を行うことが求められる。最終的に違反が認定された場合、企業は世界における年間売上高の最大10%の罰金支払いを命じられる可能性がある。

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