2013/5/27

総合 –EUウオッチャー

スロベニア、財政均衡化法案が可決

この記事の要約

財政悪化に直面するスロベニアの議会は24日、財政均衡化の法案を賛成多数で可決した。憲法を改正し、2015年から政府が単年予算の歳出を歳入の範囲内に抑えることを義務付ける。\ 2007年にユーロを導入したスロベニアは、不動 […]

財政悪化に直面するスロベニアの議会は24日、財政均衡化の法案を賛成多数で可決した。憲法を改正し、2015年から政府が単年予算の歳出を歳入の範囲内に抑えることを義務付ける。

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2007年にユーロを導入したスロベニアは、不動産バブル崩壊で不良債権が急増している国内銀行への公的支援を迫られていることで財政が急速に悪化している。2012年の累積財政赤字は国内総生産(GDP)比54%と、安定成長協定で上限となっている60%を下回っているが、08年の22%から急増。2014年には71%に達すると見込まれている。

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こうした状況を受けて、同国がギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、キプロスに続いてEUなどに緊急金融支援の要請を迫られるとの観測が浮上しており、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月末、スロベニア国債の格付けを投機的水準まで引き下げた。

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政府は財政再建策として、付加価値税(VAT)の税率を7月から2%引き上げることや、国営企業15社を売却する方針を5月初めに打ち出したが、さらに信用を回復するため財政均衡法案を提出。議会は賛成78、反対8で同法案を可決した。

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