2013/6/3

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の雇用悪化止まらず、5月失業率は12.2%

この記事の要約

ユーロ圏の雇用悪化が止まらない。EU統計局ユーロスタットが5月31日発表した4月の失業率(速報値・季節調整済み)は12.2%と、前月から0.1%上昇し、ユーロ導入後の最悪水準を更新した。(表参照)\ EU27カ国ベースの […]

ユーロ圏の雇用悪化が止まらない。EU統計局ユーロスタットが5月31日発表した4月の失業率(速報値・季節調整済み)は12.2%と、前月から0.1%上昇し、ユーロ導入後の最悪水準を更新した。(表参照)

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EU27カ国ベースの失業率は前月と同じ11%。スペインが26.8%で最高だった。このほかフランス、イタリア、ベルギー、アイルランド、ポルトガル、キプロス、ポーランド、スロバキア、スロベニア、リトアニアで10%を超えた。ギリシャは2月時点で27%だった。これに対してドイツは5.4%、オーストリアは4.9%と比較的低水準にとどまっており、格差が広がっている。

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同月のユーロ圏の失業者数は、前月比9万5,000人増の1,937万5,000人。EUは10万4,000人増の2,658万8,000人だった。

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EUでは債務危機対策として南欧諸国を中心に進める財政緊縮が景気を圧迫し、雇用を縮小させている。特に若者の雇用悪化が深刻で、ユーロ圏では25歳以下の失業率が24.4%に達した。スペインは56.4%、ギリシャは2月時点で62.5%と、2人に1人を超える割合で職がない状況だ。イタリア、ポルトガルでも4割に上る。

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ユーロ圏経済は債務危機が沈静化に向かっていることで、今年下期に景気後退局面から脱するとの見方が出ているが、雇用は厳しい状況が続き、失業者が2,000万人を突破するのは必至とみられている。これを受けて、EUは6月の首脳会議で雇用問題について協議する見込み。また、ドイツ、フランス、イタリアの雇用担当相は28日、若者の雇用対策として、EUが雇用の大きな受け皿のとなる中小企業の資金繰りを支援することなどを提言した。

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