米インターネット検索サービス大手グーグルが、検索結果を自社に有利になるよう操作しているとして欧州委員会から競争法違反の疑いで調査を受けている問題で、欧州委は5月28日、グーグルが先ごろ提出した是正案が不十分であるとして、一層の改善を求める意向を明らかにした。
\欧州委は、グーグルが欧州の検索市場で独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスなどをライバル社よりも優先的に表示しているという米マイクロソフトなど競合企業からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。13年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。これに対しグーグルは4月、検索結果ページ上で自社サービスのコンテンツにラベルを付けることによって明確に区別するほか、競合他社のサービスへのリンクを追加するなどの是正案を提出。欧州委は、是正案について同業他社などの利害関係者からの意見を求める「市場テスト」を実施していた。アルムニア副委員長(競争政策担当)は、欧州議会で市場テスト参加者からの要請に応じて意見の公募期間を1カ月延長したことを明らかにするとともに、「ほぼ100パーセント、グーグルに是正案の見直しを求めることになるだろう」と述べた。ただ、具体的にどういった分野について改善を求めるのかについては明らかにしなかった。グーグルをめぐっては、スマートフォンやタブレット端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」に関してマイクロソフトやオラクルなど17社が参加する企業グループ「フェアサーチ」が申し立てを行なっているが、同副委員長は、「正式な調査を行うかはまだ決定していない」と述べた。
\一方、グーグルの広報担当者は、「当社が提示した是正案は欧州委員会の示した懸念に対処するものであると信じている」と強調したうえで、「引き続き欧州委とともに問題解決に取り組む」と述べ、協力する姿勢をみせた。
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