2013/7/29

産業・貿易

中国と太陽光パネル問題で和解、「最低価格」導入で反ダンピング税停止

この記事の要約

欧州委員会は27日、中国製太陽光パネルのダンピングをめぐる通商紛争で、中国政府と和解案で合意したと発表した。中国の太陽光パネルメーカーがEUへの輸出に最低価格を設け、価格を引き上げる代わりに、EUは反ダンピング税の適用を […]

欧州委員会は27日、中国製太陽光パネルのダンピングをめぐる通商紛争で、中国政府と和解案で合意したと発表した。中国の太陽光パネルメーカーがEUへの輸出に最低価格を設け、価格を引き上げる代わりに、EUは反ダンピング税の適用を中止するという内容。これによってEU・中国にとって史上最大の貿易紛争となっていた同問題は終息することになる。

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EUは昨年9月、域内の太陽光パネルメーカーの業界団体「EUプロサン」の要請に応じて、中国製品への反ダンピング調査を開始。その結果、中国メーカーがコストを最大88%下回る不当な廉価で製品をEUに輸出し、域内のメーカーに大きな打撃を与えているとして、暫定的な反ダンピング措置の発動を決定。今年6月6日から中国製品に税率11.8%(平均)の反ダンピング税を課している。中国側が是正に応じなければ、8月6日から税率を平均47.6%に引き上げることになっていた。

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欧州委は和解内容の詳細を公表していないが、欧州の主要メディアが消息筋の情報として一斉に伝えたところによると、合意した太陽光パネルの最低価格は1ワット当たり0.56ユーロ。EUはこれを順守するメーカーに対して、反ダンピング税を停止する。ただし、中国製品の年間輸入量は、7ギガワットが上限となり、超過分には平均47.6%の反ダンピング税を課す。EUの太陽光パネルの需要は約15ギガワット(2012年)であることから、その半分程度を中国製品が占めることを容認する格好となる。

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中国製太陽光パネルのEUへの輸出は2009年から急増し、EU市場で80%のシェアを持つ。太陽電池など部品を合わせた輸出額は年間約210億ユーロ(2011年)に上り、EUにとって史上最大規模の反ダンピング問題となっている。

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中国製太陽光パネルへの反ダンピング措置をめぐっては、中国が猛反発し、報復措置としてEU産のワインや太陽光パネル向け多結晶シリコン、鋼管などへの反ダンピング調査を開始。高級車への反ダンピング調査開始もちらつかせており、通商紛争が過熱していた。EU内でもドイツなど加盟国の過半数が、重要な貿易相手国である中国との貿易摩擦激化を恐れ、太陽光パネルへの反ダンピング措置発動に反対していた。これを受けて欧州委は反ダンピング税適用を決めた際、税率をいきなり47.6%とせず、2カ月間は低めに抑えながら、中国との協議による問題解決を模索していた。

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欧州委のデフフト委員(通商担当)は27日、「友好的に解決した」とする声明を発表。中国商務省も歓迎の意を示している。しかし、EUプロサンは、欧州委は中国に譲歩してダンピング輸出の余地を残したとして猛反発。同日発表の声明で「解決ではなく、降服だ」と厳しく非難し、今回の合意をEU法違反として欧州司法裁判所に提訴する意向を表明した。

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