アイルランド中央統計局が19日発表した2013年4-6月期の国内総生産(GDP、速報値)は前期比で0.4%増となり、前期の0.6%減からプラス成長に転じた。プラス成長は4四半期ぶり。景気後退の脱却は、債務危機でEUと国際通貨基金(IMF)から受けている金融支援が12月に終了する同国にとって、危機終息に向けた大きな弾みとなりそうだ。
\アイルランドは2012年7-9月期から内需・外需が悪化し、3期連続でマイナス成長となっていた。しかし、4-6月期は落ち込んでいた輸出が4.8%増と大きく伸びたほか、個人消費が0.7%増と回復。不動産市場の低迷で不振だった建設業も4.2%増となり、GDPを押し上げた。
\政府は14年に増税、歳出カットなど31億ユーロ規模の財政緊縮策を導入する方針を打ち出していた。同期の成長率は予想を下回り、前年同月比ではマイナス1.2%となったが、ともかく景気後退を脱したことで、10月に発表する予算案で緊縮策を緩和するかどうかが大きな焦点となる。
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