欧州銀行監督局(EBA)は25日、国際的な銀行資本規制「バーゼルIII」を基準とするEUの170行の資産査定調査を発表した。これによると、普通株と内部留保で構成する狭義の中核的自己資本(コアTier1)比率を2019年までに7%まで引き上げることを求める規定に関しては、昨年12月時点で主要42行が総額704億ユーロの資本不足となっている。しかし、不足額は6カ月前と比べて291億ユーロ減っており、順調に行けば順守期限より5年早い2014年2月には資本不足が解消されると見込んでいる。
\バーゼルIIIで2015年までに60%、19年までに100%まで引き上げることを求められている流動性カバレッジ比率(LCR)に関しては、主要42行は12月時点で109%と、既に基準を達成した。ただ、他の128行は基準を満たしておらず、総額2,250億ユーロの流動性が不足している。
\一方、自己資本に対する他人資本(有利子負債等)の割合を示すレバレッジ比率に関しては、主要42行が2.9%で、最低基準の3%をわずかに下回った。他の128行は3.4%と基準を満たした。
\バーゼルIIIでは18年までにレバレッジ比率を3%以上に引き上げることを求めている。EBAは主要42行について、総額1,066億ユーロの資本増強が必要としている。
\