2013/9/30

欧州ビジネスウオッチ

ヴェスタス、洋上風力発電設備で三菱重工と合弁

この記事の要約

風力発電用タービンで世界最大手のヴェスタス(デンマーク)は27日、洋上風力発電設備の合弁会社を三菱重工業と設立することで合意したと発表した。洋上風力発電事業に出遅れていたヴェスタスは、三菱重工と豊富な技術、ノウハウを合弁 […]

風力発電用タービンで世界最大手のヴェスタス(デンマーク)は27日、洋上風力発電設備の合弁会社を三菱重工業と設立することで合意したと発表した。洋上風力発電事業に出遅れていたヴェスタスは、三菱重工と豊富な技術、ノウハウを合弁会社に結集し、急成長が期待される洋上風力発電設備市場で1位の独シーメンスを追撃する。

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両社は折半出資で合弁会社を2014年3月末までに設立する。三菱重工は合弁会社に当初1億ユーロを出資。発足後の実績に応じて2億ユーロを追加出資する。また、三菱重工は2016年にコールオプションを行使し、出資比率を51%まで引き上げる計画だ。

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合弁会社は本社をヴェスタスの本拠地であるホーフス市に置く。会長には三菱重工の和仁正文・取締役常務執行役員が就任。最高経営責任者(CEO)にはヴェスタスのアジア太平洋・中国事業の代表であるイェンス・トムラップ氏が就く。

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ヴェスタスは陸上風力発電設備で世界最大手、洋上風力発電設備で同2位だが、このところアジア企業の攻勢や各国政府の風力発電向け補助金が減少し、経営環境が悪化。立て直しに向けて、三菱重工と1年以上前から提携交渉を続けていた。

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合弁会社はヴェスタスの洋上風力発電用タービン「V112(3,000キロワット)」と「V164(8,000キロワット)」で事業を開始。さらに三菱重工の新型油圧ドライブトレイン(DDT)を搭載した風力発電設備も早期に投入する。

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