2013/10/14

産業・貿易

パイロットの労働環境改善法案が可決、乗務は16時間が上限に

この記事の要約

欧州議会は9日の本会議で、航空機のパイロットの労働環境を改善する法案を賛成多数で可決した。乗務時間の上限を引き下げることを柱とする内容。加盟国の承認を経て正式成立となる。\ 同法案は航空機事故の一因となる操縦士の疲労を軽 […]

欧州議会は9日の本会議で、航空機のパイロットの労働環境を改善する法案を賛成多数で可決した。乗務時間の上限を引き下げることを柱とする内容。加盟国の承認を経て正式成立となる。

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同法案は航空機事故の一因となる操縦士の疲労を軽減し、空の安全確保を強化するのが狙い。英国航空操縦士協会(BALPA)が先ごろパイロット500人を対象に実施した調査では、乗務中に居眠りしたことがあると答えた人が56%に達している。

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欧州議会が可決した法案は、欧州委員会がまとめた原案を踏襲するもので、EU共通のルールとして◇空港での待機時間を含めた乗務時間は16時間を上限とする◇夜間の乗務時間の上限を現行ルールの11時間45分から11時間に短縮する◇1年間の通算飛行時間を1,300~1,000時間以内に抑える◇週休を現在の1日半から2日に延長する――などが主な内容となっている。

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最大の焦点となっていた日中の乗務時間については、現在はEU共通のルールはなく、加盟国によって大きな開きがあり、一部の国では26~28時間が上限となっている。同法案によって大きく短縮されることになる。

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ただ、域内のパイロットの組合は、10時間を上限とするよう求めていたことから、不満を表明している。

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同法案は加盟国の承認を経て年末までに成立し、2年後に発効となる見通しだ。

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