2013/11/25

総合 –EUウオッチャー

欧州議会の拠点をブリュッセルに集約、本会議で決議案が採択

この記事の要約

欧州議会は20日に開いた本会議で、ベルギーのブリュッセルと仏ストラスブールの2カ所で会議を行う現行システムを廃止し、議員がどちらかに常駐する制度に変更する決議案を採択した。両都市間を行き来するのは非効率で、コストもかかる […]

欧州議会は20日に開いた本会議で、ベルギーのブリュッセルと仏ストラスブールの2カ所で会議を行う現行システムを廃止し、議員がどちらかに常駐する制度に変更する決議案を採択した。両都市間を行き来するのは非効率で、コストもかかるためで、EU本部があるブリュッセルを唯一の拠点とすることを念頭に置いている。

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欧州議会は通常、毎月4日間ストラスブールで本会議を開くが、それ以外の時はブリュッセルが議員の拠点となっており、委員会や臨時の本会議も同地で開かれる。このため700人を超える議員と多数のスタッフが毎月、両都市間を移動しなければならず、その費用は年間1億5,600万~2億400万ユーロに上るとされる。

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今回の決議案は、430キロメートル離れた両都市間の移動は非効率で余分なコストが生じ、さらに二酸化炭素(CO2)排出の削減を目指すEUの方針にも反するとして提出され、賛成483票、反対141票、棄権34票で採択された。

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議員の圧倒的多数は、ストラスブールの施設が年300日以上は使われておらず、維持費に1,200万ユーロ程度が必要となることから、こちらを閉鎖してブリュッセルに拠点を集約することを支持している。

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ただ、フランス政府はEUの象徴のひとつであるストラスブールの欧州議会の本会議場を失うことに反発している。同決議は全加盟国による全会一致での承認が必要で、フランスの拒否権発動が確実であることから、実現は難しいとみられている。

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