2013/11/25

産業・貿易

バイオ軽油に正式な反ダンピング措置発動、アルゼンチン産など対象に

この記事の要約

欧州委員会は21日、アルゼンチンとインドネシア産のバイオディーゼル燃料に正式な反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。すでに実施している暫定的な反ダンピング措置を27日付で最長5年の本格的な措置に切り替え、アル […]

欧州委員会は21日、アルゼンチンとインドネシア産のバイオディーゼル燃料に正式な反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。すでに実施している暫定的な反ダンピング措置を27日付で最長5年の本格的な措置に切り替え、アルゼンチン産に平均24.6%、インドネシア産に同18.9%の関税を上乗せする。

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欧州のバイオ燃料生産者の6割が加盟する「欧州バイオディーゼル委員会(EBB)」は昨年7月、アルゼンチン、インドネシアのバイオディーゼル・メーカーが不当な廉価でEUに輸出し、域内業者に大きな打撃を与えているとして、欧州委に調査を要請。欧州委は翌月に反ダンピング調査を開始し、今年5月から暫定的な反ダンピング措置としてアルゼンチン産に6.8~10.6%、インドネシア産に9.6%の反ダンピング関税を課していた。

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欧州委は調査の結果、アルゼンチン、インドネシア政府がバイオ燃料の原料(アルゼンチンは大豆と大豆油、インドネシアはパーム油)の輸出関税を高く設定しているため、両国のバイオ燃料生産事業者が安値で国産原料を仕入れることができる点を利用し、不当な廉価で製品をEUに輸出していると判断。正式な反ダンピング措置の発動に踏み切った。

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EUバイオディーゼル市場に占めるアルゼンチン、インドネシア産の割合は2009年に9%だったが、2011年に22%まで急増。とくにアルゼンチン産は、EUが輸入するバイオディーゼルの90%を占めていたが、暫定的な反ダンピング措置の発動によってシェアは低下している。

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アルゼンチン政府は、欧州委が正式な反ダンピング措置発動を加盟国に勧告した際に、これを不当として世界貿易機関(WTO)に提訴する意向を示していた。今回の決定により、提訴が確実な情勢だ。

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