欧州委員会は5日、ネパールのすべての航空会社に対してEUへの乗り入れを全面的に禁止すると発表した。欧州委、EU加盟国、欧州航空安全局(EASA)の専門家で構成する欧州航空安全委員会が先月開いた会合で、ネパールの航空会社はいずれも国際的な安全基準を満たしていないとの見解をまとめたのを受けた措置。フィリピン、スーダン、ザンビアなどの航空会社については安全面で改善がみられるとしたものの、現在EUへの乗り入れを禁止しているすべての航空会社について引き続き同措置を維持する方針を示している。
\EUは2006年3月から安全基準を満たしていない航空会社を「危険な航空会社」に指定し、域内への乗り入れを禁止または制限している。欧州委は年2~3回の頻度でリストの見直しを行っており、22回目となる今回の改訂によって域内への乗り入れが禁止されている航空会社は21カ国の計295社となった。
\欧州委のカラス副委員長(運輸担当)は「ネパールにおける安全対策の現状をみると、すべての航空会社を対象にEUへの乗り入れを全面禁止する以外の選択肢はない。今回の決定を機に、同国の航空当局者が安全対策の取り組みを強化することを期待する」とコメント。EASAに対し、ネパール向けに安全性向上のための支援プログラムを策定するよう要請したことを明らかにした。
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