2014/1/13

総合 –EUウオッチャー

12月のユーロ圏消費者物価0.8%上昇、基礎インフレ率は過去最低

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが7日発表した昨年12月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.8%となり、前月の0.9%から0.1ポイント縮小した。低下が続いていたエネルギー価格が横ばいとなった一方で、サービス分野の上 […]

EU統計局ユーロスタットが7日発表した昨年12月のユーロ圏のインフレ率(速報値)は前年同月比0.8%となり、前月の0.9%から0.1ポイント縮小した。低下が続いていたエネルギー価格が横ばいとなった一方で、サービス分野の上昇率が1.4%から1%に縮小した。一方、価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は前月を0.2ポイント下回る0.7%と、過去最低を更新しており、デフレ懸念がくすぶっている。

ユーロ圏のインフレ率は10月、前月を0.4ポイントも下回る0.7%に縮小し、2009年11月以来4年ぶりの低水準となった。これを受けてデフレに陥るとの懸念が広がり、ECBは11月、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を年0.5%から0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.25%にした。

デフレ懸念は11月のインフレ率が0.9%まで上昇したことで後退した。しかし、景気回復の足取りが重く、需要が停滞している中、12月の基礎インフレ率が過去最低となったことで、市場では懸念が再燃しており、ECBに対応を求める圧力が強まっている。