2014/1/27

総合 –EUウオッチャー

EU離脱の英国民投票法案が文言修正、会期中の成立は微妙に

この記事の要約

英上院は24日、EU離脱の是非を問う国民投票の実施に関する法案の採決を行い、質問の文言を修正する案が賛成多数で承認された。法案は再び下院で審議されるが、与党・保守党と連立を組む自民党や野党・労働党はEU離脱に反対しており […]

英上院は24日、EU離脱の是非を問う国民投票の実施に関する法案の採決を行い、質問の文言を修正する案が賛成多数で承認された。法案は再び下院で審議されるが、与党・保守党と連立を組む自民党や野党・労働党はEU離脱に反対しており、4月までの会期中に法案が成立するか微妙な情勢だ。

英国ではユーロ危機が長引くなかでEU離脱論が高まり、キャメロン首相は昨年1月、2015年の次期総選挙で保守党が勝利した場合、EUとの間で英国の加盟条件について再交渉したうえで、17年末までにEU残留の是非を問う国民投票を行うと表明した。しかし、EU離脱を唱える保守党議員は国民投票の実施を法律として明文化するよう要求。連立を組む自民党はEU離脱に反対の立場をとっているため、保守党の若手議員が議員立法の形で「国民投票法案」を提出し、昨年7月から審議が続いている。

上院は第1読会で法案を可決しているが、今回は国民投票を実施する際の質問文について審議を行い、文言を修正する案が賛成245票、反対158票で承認された。法案に盛り込まれた質問文は「英国はEUに留まるべきだと思うか」となっているのに対し、一部議員からこの文章ではEU残留が望ましいとの誤解を与えかねないといった指摘が出た。採決に先立ち、中立派のロード卿から対案として「英国はEUに留まるべきか、それともEUから脱退すべきか」という質問文への変更が提案されたが、具体的な文言については意見集約に至らなかった。