2014/2/17

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の景気回復加速、10~12月成長率は0.3%

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2013年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%増で、3四半期連続でプラス成長となった。主要国のドイツ、スペインの伸びが拡大したほか、フランス、イタ […]

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2013年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%増で、3四半期連続でプラス成長となった。主要国のドイツ、スペインの伸びが拡大したほか、フランス、イタリアがプラス成長となり、市場の予想を超える成長を記録。上げ幅は前期の0.1%を上回った。(表参照)

EU28カ国ベースのGDPは0.4%増で、上げ幅は前期から0.1ポイント上昇した。前年同月比ではユーロ圏が0.5%増となり、前期の0.3%減からプラス成長に転換。EUはプラス幅が0.2%から1.0%に拡大した。

13年通期の成長率は、ユーロ圏が前年比マイナス0.4%、EUがプラス0.1%となった。

今回の速報値は20カ国のデータに基づいて算出された。前期比の伸び率を国別にみると、主要国ではドイツが0.4%増、スペインが0.3%増となり、上げ幅はそれぞれ前期の0.3%、0.1%から拡大。前期にゼロ成長だったフランスが0.3%増、イタリアが0.1%増に回復した。さらに英国、オランダが0.7%増と堅調だった。

債務・金融危機でEUなどから金融支援を受けている国では、ポルトガルが0.5%増となり、上げ幅が前期の0.3%から0.2ポイント拡大。キプロスは1.0%減と景気後退が続いている。ギリシャは前年同期比2.6%減となったが、マイナス幅は前期の3.0%から縮小した。

ユーロ圏は13年4~6月期のGDPが0.3%増となり、7四半期ぶりのプラス成長に転換し、景気後退を脱した。しかし、銀行がなお弱体なことや、南欧を中心とする重債務国の財政緊縮策が重しとなり、成長率は7~9月期に0.1%に縮小。景気回復は力強さを欠いていた。10~12月期の成長加速で、景気回復が勢いを増していることが確認されたが、成長率は米国の前期比0.8%を大きく下回っている。失業率の高止まり、デフレ懸念といった不安要素も残る。とくにデフレ回避が大きな課題となっており、市場では欧州中央銀行(ECB)に対する金融緩和圧力は今回のGDP統計で弱まるものの、追加利下げがあり得るとの見方が多いようだ。