欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/28

EUその他

レジ袋を19年までに80%削減、法案が議会の第1読会通過

この記事の要約

スーパーなどで使われるプラスチック製レジ袋の利用を削減するEU指令案が16日、欧州議会本会議の第1読会を通過した。2019年までに80%以上を削減するという内容。同法案は6月にEU閣僚理事会で協議され、5月の選挙で改選さ […]

スーパーなどで使われるプラスチック製レジ袋の利用を削減するEU指令案が16日、欧州議会本会議の第1読会を通過した。2019年までに80%以上を削減するという内容。同法案は6月にEU閣僚理事会で協議され、5月の選挙で改選される欧州議会との調整を経て成立する見込みだ。

欧州委員会は環境対策の一環として、昨年11月にレジ袋削減に向けた指令案を発表。再利用が難しく廃棄されることが多い薄さ0.05ミリ未満のレジ袋を対象に、拘束力のある削減目標を設定し、各国に実施を義務付けるというものだ。

欧州議会の第1読会で承認された法案は、2017年までにレジ袋の利用を2010年の水準と比べて50%以上削減し、さらに19年までに80%以上削減するという内容。課金制導入、使用禁止、流通制限など具体的な削減策は、各国の判断に委ねる。

EUの推定では、域内の1人当たりの年間レジ袋利用料は2010年時点で198枚。うち9割が再利用の難しい薄型で、多くが廃棄されている。プラスチック製レジ袋は自然分解されにくく、廃棄されると海洋生物が誤食したり、残留性有機汚染物質による土壌・水質汚染を引き起こす。欧州委の調査では、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれていることが分かった。

EUではデンマークがプラスチック製レジ袋を有料制とするなど、一部の国で削減の取り組みが進んでいるが、対策が遅れている国も多く、国民1人当たりの年間利用量はデンマークの4枚に対して、ポーランド、ポルトガル、スロバキアでは466枚と大きな開きがある。このため、欧州委はEUレベルの規制を導入し、各国が足並みをそろえて削減努力を強めることを決め、指令案をまとめていた。