欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/28

西欧

GEがアルストムに電力部門買収を提案、シーメンスも対抗

この記事の要約

フランス政府は27日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が仏エンジニアリング大手アルストムに電力部門の買収を提案していることを確認した。また、独同業シーメンスがアルストムに提携を提案したことも明らかにした。 アルストムを […]

フランス政府は27日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が仏エンジニアリング大手アルストムに電力部門の買収を提案していることを確認した。また、独同業シーメンスがアルストムに提携を提案したことも明らかにした。

アルストムをめぐっては、23日にGEが電力関連機器部門を約130億ドルで買収することを提案したと報じられた。シーメンスは同買収の阻止に動いた格好で、27日に提携を申し入れたと発表した。

アルストムは発電用タービン、送配電機器など電力部門と、鉄道車両・信号システムなど鉄道部門が主力事業。電力部門がグループ売上高の7割を占める。GEによる同部門の買収は、シーメンスにとって大きな脅威となる。

シーメンスは対抗策として、資産の交換を提案している。仏有力紙フィガロなどによると、シーメンスがアルストムの電力部門を取得する代わりに、アルストムがシーメンスの高速鉄道、機関車部門を取得するという内容。仏モントブール経財相は同提案を「運輸、電力で欧州に2つのチャンピオン企業が生まれる」と形容した。

仏政府はアルストムに出資していないが、同社はフランス国鉄(SNCF)と政府系のフランス電力公社(EDF)からの受注に大きく依存しているため、政府が大きな影響力を持つ。モントブール経財相は声明で、「仏の産業、経済の戦略にかかわる問題だけに、性急な決定を受け入れるつもりはない」として、アルストムに両提案を慎重に検討するよう求めた。