欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/2

西欧

エアリンガス、IAGの買収提案受け入れ

この記事の要約

アイルランドの航空会社エア・リンガスは1月27日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の買収提案に応じる意向を表明した。昨年末か […]

アイルランドの航空会社エア・リンガスは1月27日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の買収提案に応じる意向を表明した。昨年末から2度にわたって買収を拒否してきたが、買収額を引き上げたことから、取締役会はIAGが大株主の同意を取り付けることを条件に、株主に買収受け入れを勧告することを決めた。

IAGは昨年12月に1株当たり2.3ユーロでの買収を提案。1月9日に買収額を2.4ユーロに引き上げたが、エア・リンガスは拒否していた。26日に提示された新たな案では、買収額が1株2.55ユーロに増額された。買収は現金と株式交換を組み合わせた形で実施され、現金部分は2.5ユーロ。当初の提案と比べて、エア・リンガスの評価額を11億6,000万ユーロから13億5,000万ユーロに引き上げた格好となる。

エア・リンガスをめぐっては、欧州最大の格安航空会社であるライアンエアー(アイルランド)が2度にわたって買収に乗り出したが、実現しなかった経緯がある。エア・リンガスは買収受け入れに関して、筆頭株主で株式29.9%を保有するライアンエアーと、25.1%を出資するアイルランド政府が同意することが条件としている。

IAGは買収によって、エア・リンガスが保有するロンドンのヒースロー空港の乗り入れ枠を確保するほか、BAとイベリア航空が加わる航空会社連合「ワン・ワールド」をエア・リンガス加盟によって拡大できる。同社は買収後もエア・リンガスを別会社として、現在のブランド名で運営する方針を打ち出している。